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そういう意味だった!?花魁が使う言葉「廓詞」の意味と使い方
花街や花魁を題材とした漫画や小説などを読んでいると、「わっち」や「ありんす」など花魁が独特の言葉を使っている描写がありますよね。
これらの花魁が使っている言葉は「廓詞(くるわことば)」呼ばれています。
廓詞は独特の言葉なので、聞いただけでは意味が分からないものも多いですよね。
そこで今回は、そんな花魁の言葉「廓詞」について意味や使い方をご紹介します。
花街で気品高く美しい花魁が使っていた言葉「廓詞」とは?
「なぜ花魁が話す独自の言葉が生まれたのか」「現代にも名残があるのか」など、廓詞について調査してみました。
どうして花魁ならではの言葉を使うのか
当時、花魁を含め遊女が暮らす地区「遊郭(ゆうかく)」は、遊女見習いとして全国各地から様々な身分の女性が集まる場所でした。
全国各地からきた故に、会話となるとお国訛り(方言)や言葉で出身や身分が分かってしまいます。
そうなると、遊女=妖艶で上品な女性というイメージが崩れてしまう恐れがありますよね。
そこで当時の花街では、お国訛りや言葉で出身や身分がバレてしまわないよう、優艶な言葉「廓詞」が使われるようになったという説があります。
廓詞は、姿形を着飾った花魁や遊女たちの言葉の飾りという役割を担っていたのです。
花魁が使っていた廓詞の意味
花魁が実際に使っていた廓詞の代表例をいくつかご紹介します。
どの廓詞も、綺羅びやかな花魁らしい上品で女性らしい雰囲気がありますよね。
また、廓詞は「〜ありんす」や「〜なんざんす?」など語尾に使われるものがいくつかあります。
これは、お国訛りが出やすいため、そのお国訛りを隠すという意味で用いられていたそうです。
花魁や遊女の世界である遊郭では、男性客が全てだったため、その男性客が足繁く通ってくれるためにこういった工夫もされていたようです。
意外と使っているかも?今も残る廓詞
花魁や遊女が使っていた言葉「廓詞」ですが、実は現在にもその名残と考えられる言葉がいくつもあることをご存じでしょうか?
例えばどういった言葉あるのか、ご紹介します。
お茶を挽く
遊郭では、お客様が付かない遊女=お茶っ葉を挽きお客様に出すとされていました。
そのため、お茶を挽く=人気のない遊女を表すため、縁起が悪いとされていたのです。
その名残からか、現在でも接客業で商売がうまく行かないことを「お茶を挽く」と表現されることがあります。
あがり
お寿司屋さんで出されるお茶の指す「あがり」。
「お茶を挽く」に関連して、「お茶」という言葉自体があまり縁起が良くないとされていたそうです。
そのため、遊郭ではお客様に出すお茶も言い方を変えて、お客様に出すお茶は「上がり花」と言っていたという説があります。
その名残から、昔から日本食として好まれていたお寿司屋さんなどでは、お茶=あがりと使われるようになったと言われています。
相方
親しい友達やパートナーとして使われることが多い「相方」。
これは、当時遊郭で花魁とお客様のことを相敵(あいかた)と読んでいたという説があります。
そこから、相方は廓詞が語源と考えられています。
他にも「馴染み」や「アタリメ」も花魁が使っていた廓詞が語源であったり名残になっていると言われています。
花魁が存在していた時代から200年ほど経った現在でも、廓詞は言葉として生きていると思うとすごいですよね。
花魁が使っていた言葉を知って、新たな面白さや美しさを感じませんか?
廓詞には、上品さや優艶さある言葉というだけなく、生まれた背景や隠されたそれぞれ意味があります。
廓詞を知った上で、改めて漫画やアニメを見返してみると、最初に読んだときとはまた違う面白さがあるかもしれませんね。
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